ボディ補強は、麻薬

最近、車のボディ補強の仕事をよくやります。

知り合いと一緒に新たな店を始めたのですが、本気でサーキットを走る人が
多くいます。

ボディ補強とは、純正の車のボディにスポット増しやロールバーを入れることなのですが
国産車でサーキットを本気で走るには絶対必要な作業です。


1番簡単なボディ補強は、タワーバーやアンダーバーなどの純正の穴を利用して取り付けるボルトオンタイプの商品です。

これでもサーキットを走れば違いがわかるぐらい車の剛性は上がります。

ロールバーの取り付けもやればかなりのレベルで車の剛性は上がります。

ノーマルのボディから比べれば30%ぐらいUPします。

ボルトオンでつけるパーツとしてはこれぐらいが剛性の限界になります。

それ以上になると溶接という作業が必要になります。

車のボディは、いたるところをスポットや溶接により取り付けられています。

しかし、ノーマルの車のスポットや溶接の数は、最低限の強度を保つ目的で着けられています。

スポット増しとは、このノーマルのスポット溶接がしていないところにも溶接をします。

その数は、2000-3000箇所にも及びます。

そしてロールバーもボディとボルトではなく直接溶接でつなぎます。

こうすることで車の剛性は、100%以上UPします。

まるで別物の車になる。

ボディ剛性がどれぐらい重要なのかは、それをやってある車に乗ってみないと
解らないと思います。

自分と同じ車なのにこの車は、何か違う、、、、

口では、言えないものを感じることが出来ます。

レースカーは、当たり前のようにやってあります。

街乗りの車でも本気で走っている人は、昔からやっていました。

ボディ補強された車は、もし事故を起こせば間違いなく廃車です。

ある領域の速さを得るためには、失うものもまた大きいものです。

昔、板金屋の仕事を1年ほどしていたことがあるのですが、車のボディというのは、一度火を入れると
どんどん弱くなります。

いくら綺麗に塗装をしても数年すれば錆が浮き上がってきます。

ボディ補強とは、車にとっては麻薬のようなものです。

その凄さを知れば絶対やめられなくなるほど強烈ですが、どんどん寿命をすり減らしていく、、、、

でも、車という機械の1番いい部分を1度でも感じたいと思うオーナーがたくさんいます。

あとほんの数秒、、、、そんな思いがその気持ちを狩り立てるのかも知れません。

車には、いろいろな付き合い方がある。

だから面白いのだと思います。