ベンツ W124 E320のヘッド O/H

ひさびさのベンツの整備ネタです。

W124のE320ワゴンのヘッドO/Hです。

友人の車ですが、ある日突然、走行中に水温計の針がレッドゾーンまでいってしまいあわてて車を止めて、冷えるのを待って私のところへも持ってきました。

いろいろ点検してみるとあきらかに、ヘッドG/K抜けによるオーバーヒートです。


E320 1

E320のエンジンは3.2Lのツインカム24バルブのNAです。

数あるベンツの中でももっとも売れたエンジンで直6のエンジンフィールはBMWと並び世界の名機とたとえられます。

ヘッドの脱着はインマニとEXマニを外し車上で行ないます。

E320 2

外したヘッドG/Kを見ると6番のEX側の水穴が破れて、ピストンとつながっています。

ヘッドG/Kの抜けはほとんどの場合1番後ろの気筒で起きます。

1番熱がこもりやすいからです。

また、この頃のベンツはヘッドG/Kがまだメタル素材でないため水回りの管理が悪いと腐って抜けることが多いです。

幸いヘッドなどは歪んでいないのでG/K交換のみで大丈夫そうです。

E320 3

ベンツエンジンのすばらしさは、ひとつひとつのパーツの作りにあります。

カムジャーナルひとつを取って見ても、設計、鋳物技術、、剛性などすべてにおいてすばらしいとしか言えません。

私は、ベンツ、ポルシェなどの、ドイツ車をいじるまえは国産のエンジンが最高だと思っていました。

実際にチューニングパーツなどは、充実していて簡単にパワーを出せますしサーキットなどでも外車などに負けないぐらい速かった。

でも、考え方を変えればそれは、耐久性を考えない速さだったと思います。

ルマン24時間レースをテレビで見ているとゴール間際には、必ずポルシェを始めドイツ車両の車ばかりが目につきます。

実際にサーキットのフリー走行は連続で走っても30分ぐらいです。

たとえ、GT-Rで30分ポルシェの前を走れても1時間連続で走れば必ずポルシェが前を走っている、、、

それはまさにエンジンの基本設計の違い以外にありません。

最近トヨタのレクサスブランドが話題を呼んでいますが、私は全然興味がありません。

レクサス=セルシオを評価すると壊れない車NO1、 ただそれだけのことです。

車は、最高の工業機械であると共に男にとっての最高のおもちゃです。

フェラーリ、ポルシェ、ベンツ、BMWなどの有り余る個性に魅力を感じますが、ただ壊れないだけの静かさが売りの車に、私は興味を感じません。

車をただの移動手段として扱うひとには最高の車かもしれませんが?

すいません、話がそれてしまいましたが、これがメカニックの本音でもあります。

E320 4

今回の作業は比較的軽症でしたので、G/K交換だけですみました。

ついでにバルブのすり合わせと定番のオイル漏れ箇所であるこの字型のシールを交換しました。

E320も発売からすでに、15年近く経ちます。あちらこちらにガタがきている車がたくさんあります。

車は、ボディーがだめにならない限り他のパーツは交換が出来ます。

使い捨てではなく好きな車を長く乗る、それが最高のカーライフだと私は思います。

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“ベンツ W124 E320のヘッド O/H” への2件の返信

  1. 初めまして、w124の300TE2インカムなんですが、タイミングチェーンの張り方の注意点を教えていただけますか?(一回目は、バルブがピストンについてしまいました。)

  2. 山田自工(株) さん
    たぶんバルタイがバラバラのままチェーンを組んでしまったからでしょうか?
    W124のツインカムの場合チョットしたコツがあります。
    最新ブログの記事として後ほどUPさせていただきます。

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