最近、国産車のE/GをO/Hすることが多いです。
この仕事をやっていると不思議と同じような車がまとめて入庫することが多くあります。
ベンツを作業していると回りはベンツばかりだとか、ポルシェを作業すると今度はポルシェばかりが集まったりしますので不思議です。
最近はチューニングでなく一般的なO/Hをするお客さんが多いように感じられます。
好きな車をいい状態で長く乗ろうとする方が増えてきたのでしょうか?
こと走り屋系の車は、、排ガス規制の影響でほとんど姿を消しました。
ターボ車両はスープラ、MR-2、GT-R、RX-7、などすべて生産中止になりました。
その影響でしょうか?
また、魅力的な新車が販売されないのもあると思います。
GT-Rのニュルスペックなどは、相変わらずの高値をキープしています。
この、ランサーもその1台だと思います。
常に進化をし続けている車ですが、EVO5-6あたりが私は1番カッコよく見えます。
インプレッサと共に、2Lで280PSを発揮するメーカーチューンドエンジンの中身にすごく興味があります。
以前にEVO3を何台かO/Hしたことがありますが、エンジンの向きが変わったEVO4以降のエンジンは初めてです。
カムシャフトはローラー式のロッカーアームでラッシュアジャスター式です。
また、三菱の特許であるバランスシャフトを左右で駆動して4気筒のエンジン振動を打ち消しています。
この、バランスシャフトは三菱の世界的な特許で、車のエンジン関係で、日本の技術が世界メーカーに使用されている数少ない発明です。
オイルポンプはギヤ駆動式でタイミングベルトで駆動しています。
やはり、気になるのはヘッドのポート形状です。
インテーク、EXともに、パワーの出るポートの曲がりをしています。
やはり、ラリーのN1ベース車両でWRCを意識した作りなのでしょう。
タービンは純正で三菱のTD05を使用しています。
さすが、メーカーですね、、、、
クランクシャフトは剛性のあるラダーフレームで支えられています。
この辺りはGT-Rなどと同じ作りです。
唯一ピストンピンがいまだにフルフローではなく圧入式なのには、びっくりしました。
ランサーの280PSの背景にはタービンのブースト圧にあります。
ノーマル状態でも1K近いブーストがかかっています。
また、インタークーラーやマフラーのフロントパイプなどは、チューニングカーのような作りをしています。
ユーザーが購入してから、いろいろ改造することをメーカー自らが全部やってしまった?、、そんな感じのする車です。
筑波サーキットのタイムアタックでも55秒台というとんでもないタイムを記録する車もいますのでチューニングベースとしては最高の素材だと思います。
私も何回か運転したことがありますが、ストップ&ゴーのサーキットにおいてはめっぽう速い印象を受けました。
まさに、ハイパワー4WDを象徴する1台ではないでしょうか。