BMW E39 M5 LINKフルコン 完成

BMW E39  M5
LINKフルコン完成。
最後まで苦労したのは、
LINKのシンクセンサー設定に
E39のM5がないという事で。
とりあえず、他のBMWの設定で動く事は動くのですが2500rpmあたりで通信が途切れる症状が必ず出ます。
そして、エンジン始動でも1発でかかったりかからなかったり。
これが、BMW  E39  M5のクランクセンサーとカム角センサーの波形。
クランク角は、ドイツ車特有の欠歯タイプなので問題ありませんが、カム角センサーが独特な波形。
この波形だと汎用トリガー設定は、無理なので専用設定が必要なのですがLINKのプログラムには、その設定がありません。
カム角センサーを諦めて、クランク角だけで同時点火仕様に変更しました。
カムアングルが取れないという事は、
シリンダーのどこが?頭という事がわからないので独立点火とシーケンシャル噴射は出来なくなります。
独立点火のシーケンシャル噴射と
同時点火の全機筒噴射だと何が違うのか?
今回は、この2種類の点火と噴射方式を
同じ車で体験出来たので少し説明。
E39  M5は、独立した8個のスロットルを持つ8スロエンジンです。
だから、余計に2個の噴射方式を比べるには最適な車です。
まずは、独立点火&シーケンシャル噴射。
現在の車では当たり前の噴射方式。
ノーマルECUのM5ももちろんこの方式です。
シーケンシャル噴射の利点は、インテークのバルブが開いた瞬間に各気筒ごとにインジェクターを噴射出来るので非常に効率的に燃料制御出来ます。
かたや同時噴射の場合、タイミングは、関係なしに決まった時に同時に全機筒噴射します。
キャブレターの車と同じだと思ってください。
でも、この2種類の噴射方式の違いがわかるのはアイドリングから3000rpmまでのアクセルの付きの良さとアイドル回転数の違い。
シーケンシャル噴射の方が低い回転でも滑らかにアイドリングします。
シーケンシャル噴射&独立点火の利点は、アイドリングから3000までの領域。
要するに、普通に街中を走る時に1番使う領域でその威力を発揮します。
逆の事を言えば、
サーキットなどの3000以上しか使わない場合は、それほど変わらない。
回転数が上がればインジェクターそのものの噴射がバルブの開く速さに追いつきません。
3000rpm以上の領域ではその違いは解らない。
あとは点火方式の独立点火と同時点火の違い。
これは、性能的には全く変わりません。
違いを言うなら、LINKなどの点火リタードが出来るフルコンの場合、各気筒ごとの点火リタードが出来るか、2気筒同時にリタードするかの違いだけです。
あとは、同時点火は、独立点火の2倍の回数で点火するのでコイルの寿命が半分。
でもその逆にエンジンがカブリやすい車の場合、同時点火の方が有利だと言えます。
サーキットは、走らず街乗りメインの人は、独立点火&シーケンシャル噴射は良いと思いますが、今回のM5のようにもともとナンバーがなくドリフトやサーキット仕様の車なら同時点火&全機筒噴射でも全く問題ないと思います。
たまに、ディスビ点火の古い車でもバカみたいに高価なECUで制御されている車を見かけますが、全く意味がないと思います。
自分の車が何をしたいのか?
走る場所はどこ?なのか?
それを見据えてECUを選べば良いと思います。
エンジンがノーマル状態の場合、全ての場所で完璧に制御出来るECUは、ノーマルECU以外にないのですから。