定番エンジンといわれる中で今まで直接バラしたことがないエンジンが日産のL型エンジンです。
今、L型エンジンのO/H作業をしているのですが、
ほんとシンプルなエンジンですね!
昔、師匠からL型がきちんと組めればポルシェのエンジンも理解できるよ!
と言われたことがありますが、私の場合順番が逆になってしまいました。
L型は、ほんと携る機会がほとんどありませんでした。
もっとも初めて買った車がスカイラインのR30でしたので、L型が載っていました。
でも、その頃エンジンには、興味がなかったです。
私の時代のプライベーター用のエンジンは、すでにトヨタの4AGでした。
ツインカム4バルブ、、、、、
これがもう当たり前だった。
ショップのお客さんの中でもL型のお客さんがほとんどいなかった。
日産もすでにRBというエンジンがあり、L型は、すでに過去のエンジンとなっていたからです。
2.8Lのシングルカム 燃焼室は、ターンフローの形状をしており
構造的に見れば特にすばらしいと思える部分がないエンジンです。
特に、L型を見る前にベンツやポルシェのエンジンを知ってしまった私にとっては
悪く言えば単なる駄作エンジンに見えてしまいます。
このエンジンでよく昔のチューナーは、ポルシェと戦っていたな! と驚きを覚えます。
このエンジンのどこにその潜在能力が潜んでいるのか?
逆に楽しみでもあります。
私の師匠は、かってL型の神様とまで言われた人です。
でも、L型エンジンを組んでいるところは、1度も見たことがありません。
また、今一緒に仕事をしている人達もひとつ上に世代の方なのでL型エンジンを
リアルタイムで触ってきた人達です。
だから、L型について今たくさんのことを教えてもらっています。
バラしていて思うのは、L形エンジンのベースは、ベンツのM型エンジンであったのだと
思います。
特にM103形エンジンにそっくりです。
M103形エンジンは、W124の300Eに積まれていたエンジンです。
私も昔、300TEに乗っていましたので、よく覚えています。
L型との違いは、M型のほうが数段すばらしい作りであるということです。
この時代の国産とベンツを比べるのは、無理があるのですが、
でも全体の作りがほんとよく似ています。
ヘッドは、ベンツは、クロスフローなので吸入や排気の方法は、よりスムーズです。
ヘッドの形状なんかもほんとよく似ています。
たぶんL形を数多く組んできた人がベンツのM型を見ればショックを受けるだろう?
と思えるぐらいM形は、すばらしい作りです。
でも、M形をチューニングする人は、ほとんどいないでしょう?
車がベンツでオートマということもあり、また後日M104(私のブログの写真)としてツインカム化されましたので
ノーマルで十分と思えるぐらいのエンジンだからです。
L型が今でもプライベーターや多くのチューナーに愛されるのは、、
ノーマル状態がどうしようもなく駄作エンジンであるからだと思います。
逆の言い方をすればよくする部分がいっぱいある、、、
いじればいじるほど速くなるエンジン、、、
こういうエンジンって今の時代には、あまりないのです。
もともと86パイのボアをやる気になれば90パイまでボアアップできる。
2.8Lの排気量が3.2L まで拡大できる。
こういうエンジンってチューニングベースとしては、すばらしいエンジンです。
そして何より多くの人に愛されたエンジンですので、パーツが未だにたくさんあります。
エンジンなどは、1時間もあれば簡単に脱着できるガラガラのエンジンルーム
そしてZやスカイラインという魅力的な車に搭載されたのがいまだに人気がある
理由だと思います。
わたしは、正直いまさらL型エンジンを見ても全然良いとは思いません。
でも、このエンジンがチューニングによってどれぐらい変わるのか?には、
すごく興味があります。
ポルシェというすばらしいエンジンを知ってからあらためて見るL型というエンジン
こういうのもいいのかなー と思っています。