ポート形状

車のエンジンの鉄やアルミ部分の修理や穴埋め補修によく用いられるのは、
デブコンといわれる金属補修剤ですが、これは、固まると接着部分が真っ黒になってしまいます。

まったく見えなくなる部分ならデブコンでもいいのですがヘッドのポートなどの見える部分には
スナップオンが販売しているコンクエストというのがお奨めです。


これは、固まっても灰色でアルミぽく見えますので、見た目もいいです。

また、接着強度などもデブコンよりも強力で何よりリューターなどで削ったときも削りやすく
仕上がりも綺麗です。

ポート自体を埋めなおして新たに作り直すということは、
今は、あまりやりません。

それほどのハイチューンのエンジンを作るショップが少なくなったし、
それを求めるお客さんも今は、ほとんどいません。

昔のL型エンジンが全盛だった時代には、結構当たり前のようにやっていました。

私の師匠などは、L型全盛だった時代の人間なのでよく昔話としていろいろな話を聞きました。

燃焼室のアルゴン肉盛りなんていうのがいまだに加工屋さんのメニューに
あるのもL型エンジンの凄いところです。

あとローターリーのペリフェラルポートのエンジンを作るときにもポートを埋めるということは
当たり前のようにやっていました。

最近久々にヘッドのポート研磨というのをやったのですが、埋めなおした状態から新しいポート
を作っていくのはかなり大変な作業です。

削りすぎると、また、うめ直さなければならないし、
隣のポートとの大きさも合わさなければならないので
結構な手間です。

ある程度を荒削りにリューターで仕上げて、それから80番のペーパーで形を決めます。

そして、最後は、パテ砥ぎのように手で仕上げていきます。

結構気が遠くなる作業です。

ポートの形状というのは、ターボよりもNAの場合に、影響する部分です。

強制的に空気を押し込むターボの場合、ある程度のポートでも無理やり空気は入るのですが
NAの場合は、形状がエンジン性能にすごく影響します。

NAを極めればターボは、簡単とよく言われます。

何よりもポート形状の良し悪しが学べるのもNAエンジンだと思います。

ポート形状については、また詳しく書きたいと思います。