930 RUF BTR エンジン完成

930 RUF   BTRエンジン

Kジェトロのウォームアップレギュレター OH

悪名高き  パーツですね。

こいつが壊れると ガソリンが噴き出し、、

エアクリーナーにガソリンが溜まる。

機能的には、機械的に燃料の濃さを調整しています。

実際に燃料が通っているのはこの部分だけ、、、

この中に薄いステンレスプレートが押されることで燃圧を変化させています。

わずか0.07mmの このプレートの真ん中を押すことで燃圧の調整をしています。

燃料が漏れる原因は、このプレートが何百回 何千回 と押されることにより

経年劣化して、、破れます、、、

破れると燃料がウォームアップレギュレター本体へと流れていき

大変な、、、事となる。

私も、昔乗っていたアメジストの964ターボで筑波サーキットを走った時

破れました、、、幸い早く気付いたので問題なかったですが

930ターボ  964ターボ のパーツの中で1番ヤバイパーツです。

最悪の場合  車両火災となります。

突然、、、アイドリングしなくなった、、、もしくはエンジンのかかりが悪くなった、、、

と思ったら要注意です。

続いて こちらも定番のウエストゲートOH

ブーツが切れる寸前です。

当然ガイドは、ガタガタです。

ガイド交換済みのリビルト品に交換です。

ブーツも新品交換。

これでOKです。

タービンもOHです。

エンジン本体  完成です。

930 RUF BTR エンジン組 4

オルタネータ交換。

元々のオルタネーター

がダメな訳ではなくこのターボはエレクトリックエアコンを付けます。

だから容量UPのオルタネーターが必要です。

近年 空冷ポルシェの主流となりつつあるエレクトリックエアコン。

特に930は、元々のエアコンはまず効きません。

しかもエアコンホースも長いゴムホースなのでトラブルが絶えません。

何よりエンジンのクランクプーリーから駆動するエアコンのコンプレッサーがエンジンのパワーロスとなります。

これら全てのデメリットがなくなるのがエレクトリックエアコンです。

大容量のオルタネーターに対応する配線コードを引きます。

ウチではエレクトリックエアコンは初めてなので楽しみですね。

続いて エンジンインシュレーターの加工。

ノーマルインシュレーター  32パイ

BTR 37パイ

この大きさの違い。

今まで何回も言いましたがポルシェ930 ターボ

964ターボ のエンジンはメーカーデチューンの固まりです。

昔のSCのエンジンをそのまま利用したヘッドのインマニ径の小ささが最大のネックです。

これは964 3.6ターボになっても変わらなかった。

排気量がSC時代から、、、900ccも大きくなってもポート形状は小さいまま、、、、

しかもターボ Sと名のつくモデルでも同じです。

まったくやる気がなかったとしか思えないですね。

逆を言えば エンジンの伸びしろがいっぱいあるのが930 ターボ  964ターボ ですね。

RUFは流石にこの辺りはきちんとやってますね。

小さいポートを旋盤で大きくします。

普通じゃ噛めないので 治具を作って加工です。

これでOKです。

もちろんインマニ側も RUFは拡大されています。

チューニングの基本ですね。

930 RUF BTR エンジン組み 3

まずは洗いから

タービンオイルの回収ポンプです。

左側のカムで駆動してタービンオイルを回収します。

FLAT6 ドライサンプエンジンの特徴です。

ロッカーアーム

カムギヤ取り付けてバルタイです。

一度どこかでOHされていますが

バルタイが3度ずれていますね。

正規に戻して組み付けます。

エンジン本体は完成です。

クランクケースにはBTRのエンジン番号が、、、

この時代ならではの手作り感満載ですね。