930カレラ3.2L改3.4Lエンジン バルブタイミング調整

930カレラエンジン。

今回はバルブタイミングの調整です。

使用するカムシャフトは、964カレラ2カム

カムはいろいろ選択肢がありますが、街乗り主体のエンジンなら964カレラ2カムが扱いやすく、低中速もしっかり使えるので一番安心して乗れる仕様だと思います。

左右それぞれ測定しながら、バルブタイミングを合わせていきます。

ロッカーアーム組み付け

ロッカーアームシャフトには、オイル漏れ防止のOリングを入れて組み付け。

空冷ポルシェではこの辺りからのオイル漏れも多いので、こちらもウチでは定番のメニューです。

エンジン本体完成

これでエンジン本体は完成。

インテークマニホールドは、そのまま組まずに一度分解して清掃します。

同時にホース類も一本ずつチェック。

今回も点検中に一か所ホースの割れを発見できました。

エンジンを降ろしている時だからこそ確認しやすい部分なので、こういった細かいところも一緒に点検しておきます。

せっかくエンジンを仕上げても、古いホースから二次エアを吸ったりトラブルが出てしまっては意味がありません。

空冷ファンはシルバー仕上げ

空冷ファンは今回はシルバーで塗装

派手さはありませんが、空冷エンジンらしい雰囲気を残した仕上がりです。

LINK ECU フルコン仕様

今回のエンジンはLINK ECUによるフルコン仕様

クランクプーリー側から**REF信号(クランク角信号)**を取れるようにクランクプーリーをセンサー溝付きのアルミ製に交換

ここからセンサー類やハーネス、燃料系などを仕上げて、LINK ECUのセッティングへ進めていきます。

エンジン本体はこれで完成。

車両への搭載までもう少しです。

930カレラ 3.2L改 3.4L エンジンオーバーホール ヘッド組付け・圧縮比測定

930カレラエンジンのオーバーホールも、いよいよヘッド組み付け工程へ。

今回のエンジンはマーレ製3.4Lハイコンプレッションピストンを使用した仕様です。

組み付け前には、燃焼室容量を1気筒ずつ測定し、ピストンのトップ容量も実測。カタログ値ではなく、実際の数値をもとに圧縮比を算出していきます。

燃焼室容量やトップ容量はわずかな違いでも圧縮比に影響するため、エンジンを長く安心して使っていただくためにも、この工程は非常に重要です。

ヘッドはバルブの状態を確認しながら組み付け。

  • バルブのすり合わせ
  • バルブスプリング荷重測定
  • セット長の測定・調整

といった基本作業を一つずつ丁寧に行います。

バルブスプリングは単に組み付けるだけではなく、荷重測定を行い、規定値に収まっていることを確認。セット長も揃えることで、6気筒すべて均一なバルブ作動を目指します。

ヘッド組み付け後は、各容量をもとに圧縮比を計算。

今回の仕様では、

圧縮比 10.2 : 1

となりました。

この仕様であれば、レスポンスとトルクの向上が期待でき、ストリートからスポーツ走行まで非常に扱いやすいエンジンになると思います。

今回のエンジンは、

  • LINK G4Xフルコン
  • ダイレクトイグニッション化
  • 燃料ポンプ容量アップ

を組み合わせる予定です。

機械精度をしっかり出したエンジンに最新の電子制御を組み合わせることで、始動性・アイドリング・レスポンス・高回転域まで、純正以上の扱いやすさと性能を狙っています。

完成後のセッティングが今から楽しみな1台です。

ポルシェ930カレラ 3.4L エンジンOH ピストン・シリンダー組付け

930カレラ エンジンオーバーホールの続きです。

前回クランクケースまで組み上がりましたので、今回はピストン・シリンダー周りを進めていきます。

今回はARP製のケーススタッドボルトとコンロッドボルトを使用。

純正ボルトより高強度で、エンジンOH時には当社で定番となっているメニューです。

ケーススタッドはただ取り付けるだけではなく、各スタッドの突出し量を測定し、高さを揃えながら一本ずつ取り付け。

コンロッドボルトもARPへ交換して組み付けていきます。

ピストン・シリンダーは、MAHLE製 3.4L ハイコンプ仕様を使用します。

組み付け前にシリンダー内径、ピストン外径をそれぞれ測定。

ピストンとシリンダーのクリアランスを確認してから、ピストンリングをセットして組み付けていきます。

空冷ポルシェはこうした一つ一つの測定と確認をしながら組み上げていく作業が重要です。

6気筒すべて組み付けて、ピストン・シリンダーまで終了。

3.2Lから3.4Lへ。

この200ccの違いは想像以上に大きいです。

次はシリンダーヘッド周りの組み付けへ進みます。