FCRとソレックス

最近は、キャブ仕様の車が少なくなってきました。

これは、良質のECUやフルコンの価格が安くなってきたからかもしれません。

でも、キャブレターの魅力は、その音やフィーリングだけではなく性能にもあります。

インジェクションの車がキャブの車に劣っているところは、アクセルを踏みなおしたときのダイレクトな加速感、、これは、インジェクションでは再現できません。


キャブレターには、加速ポンプと呼ばれるものが付いています。

アクセルを踏み込んだときに燃料をダイレクトにポートの中へ入れる装置です。

ソレックスジェット

キャブ車は、この感覚が凄いと思います。

あのドバっと一気に燃料が噴出す感覚、、、、

これは、ECU制御のインジェクターでは、マネできません。

MOTECなどで極めれば近い感覚まではいけるのですが、やはりどこか違ったものになってしまいます。

車のキャブレターの支流は、昔はソレックスやウエーバーでしたが、最近では、FCRに変わりつつあります。

この2つのキャブレター、、もし比較する対象がバイクなら間違いなくFCRがいいに決まっています。

でも車の場合は、バイクとは条件が違うのでいまだにソレックスやウエーバーを使う人も多いです。

事実、私が昔、速いと思った86乗りのほとんどがソレックスかウエーバー使いでした。

これは、FCRがバイク用のキャブであるために41パイまでの口径のキャブしかないところが大きく影響します。

FCR

1600ccクラスのフルチューンエンジンで320度以上のハイカムを組むと41パイの口径では、高回転で吸入量が足りなくなります。

その点、ソレックスは45、50パイまで種類がありますので、ハイチューンエンジンには、こちらのほうがパワーが出ます。

私も、FCRを使っていた頃は、カムは、ハイリフトの272を使っていました。
TRDの320度のハイリフトも組んだことがあるのですが、272のほうが全体的にトルクがありFCRにはマッチしていました。

FCRの凄いところは、セッテイングがほぼバカチョンでいいところです。

取り合えず、大まかなセッテイングで普通に走ってしまいます。

でも、極めるとなると大変です。

ソレックスは、油面調整をきちんとやらないとすぐにオーバーフローしてしまい、横Gの多いサーキットでは、使い物になりません。

亀有のレースジェットなどのサーキット用のブロックを組む必要があります。

これが結構高価で1個5000円ぐらいします。

あと、この二つのキャブレターの最大の違いは、スロットルです。

バタフライタイプのソレックス、、スライド方式のFCRです。

単純に空気の抵抗が何もなくなるスライドタイプのFCRのほうが、良いように思えますが、ここが車のエンジンの難しいところです。

エンジンの吸入は、抵抗がなくなれば良いというものではなく、適度に抵抗があったほうが流速がうまれいい場合があります。

昔、F1はスライドバルブを採用しましたが、数年後バタフライタイプに戻りました。

このことからも、スライドタイプが優れいるというわけではないのが解ります。

パーツは、使う条件や組み合わせで良くもなり悪くもなります。

これがまた面白いところなのです。

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