ポルシェエンジンは996から水冷エンジンになりました。
それまでの空冷エンジンに終止符をうち新開発の水冷エンジンとなりました。
特にカレラは、まったくの新設計エンジンとなりいままでのドライサンプ式ではなくウエットサンプとなりました。
このエンジンは壊れるとOH不能だということを聞いたことがあるのですが
実際にはパーツの国内供給がないだけで本国発注をすれば可能みたいです。
よくあるトラブルで聞くのはインターメディエイトシャフトのトラブルです。
ここからオイルがダダ漏れになるというものです。
当然、エンジンO/Hをしなければ直りません。
ディラーだと当然ASSY交換が基本となりますが、E/G ASSYの値段は、150万から200万円ぐらいだといわれています。
当然、重要パーツがダメでO/Hした場合もこれぐらいの金額は、かかります。
カレラという車の価値を考えるとすごくビミョーなところだと思います。
よくお客さんに水冷ポルシェは、どうなの? と聞かれます。
「水冷ポルシェを買う場合、GT-3、ターボ、GT-2 以外は、お薦めしませんよ!」と答えます。
これは、上記3モデルは、エンジンのクランクケースを空冷モデルと同じケースを使用しているからです。
ポルシェ自体もカレラとの区別化として走りのモデルにのみは、
ドライサンプのクランクケースを与えているということです。
また、カレラエンジンは、一体成形のクランクケースを使用しているので例えば、ひとつのピストンが棚落ち
してシリンダーを傷つけた場合でもケース本体の交換となります。
GT-3などの空冷ケースを持つモデルは、シリンダー部分がウエットライナーでひとつひとつ挿入されている為、
ピストンシリンダーも1個ずつ交換することが可能です。
走りの車である以上、いずれエンジンのO/H時期が来ます。
そうなった時に両者の違いは大きいと思います。
あとは、両者の車としての価値観を考えた場合、GT-3ならエンジンをO/Hしても乗ろうという気になりますが
カレラの場合,,はたして、、そこまでしようと思うかどうか? これが問題だと思います。
例えば、空冷のモデルはエンジンをO/HしてチューニングすればGT-3をも上回るエンジンを作ることも可能です。
これは、それだけたくさんのチューニングパーツが販売されているからです。
でも、水冷カレラエンジンの場合、これといったチューニングパーツもなくエンジンO/Hをしても新車時の状態に
もどすことしか出来ません。
こんなことなら初めからGT-3を買っておけばよかった! と後から思うと思います。
これと同じような経験を私も昔しました。
R32 GT-Rが 販売された頃、R31スカイラインに乗っていました。
新車の32GT-Rは、軽く500万円の車です。
当然そんなお金は、なくR31のRB20DETをチューニングしました。
東名ピストンの2.2l TD06タービン に追加インジェクター
でも、知り合いの32GTRの ブーストUP仕様に簡単にぶち抜かれました。
当然です。 GT-Rは、ブーストUPで軽く400PS R31は、フルタービンでがんばっても350PSがやっと
そのチューニング費用や車体価格を考えるとGT-R買えばよかった! 買えていたと思いました。
こういうことがあるから車選びは、難しいと思います。
今考えて思うことは、もし自分の中に迷いがあるなら人気車種を選べ! ということです。
人気があるには、当然理由があります。
それは、チューニングパーツが多かったり。チューニングしやすかったり。
乗っていて面白かったり。 理由はそれぞれです。
多くの人に愛されるからには、やはりそれだけの理由があるということです。
私は、R31スカイラインのあとにAE86に乗りました。
チューニングされた350psのスカイラインからAE86に乗り換えるのは勇気がいりました。
果たしてアンダーパワーの86が本当に面白い車なのか?
かなり悩みました。
でも、乗り換えて大正解でした。
86という車は、本当に面白い車でした。 そしていろいろなことを教えてくれる車だった。
チューニングパーツが山ほどあり、何よりもすごいことは、同じ車に乗る仲間がいっぱいいた。
ライバルが多いということはそれだけ乗り手のレベルも上がるということです。
それが何よりも楽しいということです。
話は、ポルシェ戻りますが、
水冷を買うならやはり GT-3 ターボ GT-2 です。
でも長く乗るなら空冷ポルシェです。
これは、水冷に乗られている方なら感じていると思います。
996のGT-3に乗っていても997が出ると古くなります。
当然価値は、下がります。
997のGT-3に乗っていてもGT-3 RS が出れば当然価値が下がります。
新しい車を追いかければ毎年買い換えなければ面白くなくなります。
維持するにも自分の車の価格とにらめっこの状態が続きます。
そんなことを考えると今後ますます価値が変わることがない空冷ポルシェが魅力的だと思います。
あと10年も経てば930や964が997以上の値段で売られていると思います。
O/Hが簡単に出来てパーツもたくさんあり、、、この先変わることのない価値観、、、、
やっぱりポルシェは、空冷かな? と思ってしまいます。
個人的には、水冷のGT-3などは、この先も乗り継がれる車であって欲しいのですが、、、
エンジンパーツがあまりにも少なすぎますね。
チューニングする楽しみで考えればそのあたりがネックですね!