ポルシェほどオイル管理が難しい車は、中々ないと思います。
ドライサンプというレーシングカーと同じレイアウトを持つ空冷ポルシェは特に特殊です。
特に難しいのはターボです。
その中でも1番シビアなのは930ターボ
この車のオイル量の管理は大変シビアで入れすぎるとタービンからインマニにオイルが回ってしまい大変なことになります。
ポルシェのオイル量の見方は、エンジンをかけて油温が上がった状態で見る必要があります。
オイルクーラー付きの車の場合はオイルクーラーのサーモスタットが開いてフロントのオイルクーラーに
オイルが回ったのを確認してオイルレベルを確かめます。
この状態でオイルレベルゲージにオイルがやっと付くぐらいがターボの場合調度いいです。
この状態だと室内の油量計はまるで動きません。
でもこれぐらいで調度いいです。
オーナーの心理としては油量計が動かないとオイルが足りない! 壊れる!
と思いがちですがこれは大きな間違いです。
実はこの状態でもオイルは実際には8L近く入っています。
本当はポルシェはオイルが6Lも入っていれば正常に油圧がかかるので壊れることはありません。
10L近く入れるのはオイル量が多いほど油温に有利だからです。
だからきちんとオイルクーラーで油温管理出来る車であれば規定量より少ないぐらいで調度いいのです。
逆にサーキットなどを走る車の場合はほんと少な目でないと吹き返しでマニホールドの中が大変なことになります。
試しに通常の量を入れてオイルクーラーのファンを止めて油温を110ぐらいまで上げてみると解ります。
今まで真ん中だった油量計の針がメーターを振り切るぐらい上がるのでビックリすると思います。
もしこれが渋滞中の高速でそのあと渋滞が解消してこの状態から油温を下げようとかっ飛んだらどうなるか解ります?
オイルタンクに貯まったオイルがブローバイとしてエンジンに吹き返します。
特にターボの場合はインタークーラーやインマニが一瞬でオイルまみれになります。
しかもそのオイルがタービンシャフトに貯まりマフラーから白煙を吹きます。
これがすごい量の白煙となります。
もう後ろが見えないぐらいの、、、、、
こうなるとインマニとマフラー、タービンを分解して洗浄しないと治りません。
ちょっとしたオイルの入れすぎがタービンブローのような症状になってしまいます。
気をつけましょう。
それからもともとアイドル回転を高めにしている車も要注意です。
アイドル回転が高いとオイル量は実際よりも少なく表示されます。
この状態で通常のレベルまでオイルを入れてしまったらアウトです。
間違いなく入れすぎです。
以上の事からポルシェのオイルは少なめがちょうどいいと覚えておきましょう。
少ないなと思っても実際には8L以上入っているのでこれが原因で壊れることはまずありません。
それよりも入れすぎの吹き返しのほうが何倍も危険です。
実際にこれが原因でタービンに無理をさせてタービンブローした車を何台か見ました。
くれぐれも気をつけましょう。
それではまた、、、、