Kさん 964ターボ エンジンOH

今年6台目のエンジンOH。
ポルシェ964ターボ   3.3L
やっぱりターボ率が高いです。
しかも、964ターボ率が本当に高い。
普段街で964ターボを見かける事はほとんどないのに、工場は、964ターボだらけです。
本当に嬉しい限りです。
この車も、今まで一度もエンジンを開けた事がない車です。
でも、考えてみれば普通の車は、1度もエンジンOHなどされない状態で廃車への道を辿ります。
今まで所有した車の中でエンジンOHをした事がある人は、レース車両などの特別な車を除けばほとんどいないと思います。
エンジンOHするなら新しい車に買い買える。これが、普通の考えです。
車は、使い捨てです。
電化商品が当たり前のように捨てられるのと同じように、、、
でも、本当に人に愛される車というのが中にはあります。
ポルシェがその代表格です。
世の中の車の中で最も廃車率が少ない車。
それがポルシェです。
特にポルシェ911
それは、なぜ???なのか???
いつも、思うのですが、、、、
理由は、簡単です。
それは、他に代わるものがないから、、、、、
それだけです。
RRで、40年以上走りを追求した車は、ポルシェ以外他にない。
どれだけ不利と言われようと40年以上
世界の自動車メーカーのベンチマーク的な存在を示した車が他にはないからです。
世界中の人に愛されてきたモデル。
それがポルシェ911なんです。
本物の車好きなら人生賭けて乗っても損はない。
そういう車がポルシェ911なんだと思います。
愛されるには、やっぱり訳があり。
そういう車の仕事が出来るのが自分の誇りでもあります。

ポルシェ964 ターボ 3.6L エンジンOH 3




964 3.6Lターボ。
クランクケースからもオイル漏れしています。
新車から20年以上経過すると当たり前の事です。
プラグを外すと5番だけオイルまみれです。
5番シリンダーのEX側もこんな感じ。
3.6Lターボって面白い車で
3.3LまでのM30形エンジンと964のM64形エンジンの組み合わせです。
タペットカバーなども上はゴムシール
下は、ガスケット。
プラグは、カレラ2とは違いシングルプラグ。
この流れは、993ターボまで続きます。
1番残念な部分は、、やはりポート形状
Kジェトロをそのまま使ったので長年続いた3L NAと同じサイズです。
要するに3Lエンジンも3.6Lエンジンも同じポート形状をしています。
普通ならありえないですよね。
この部分が964Tのアキレス腱です。
だからフルコンにして3.2Lのマニを使いポートを大きくすると見違えるほど速くなります。
それだけチューニングの幅が残されたエンジンだという事です。
930ターボと964ターボほどチューニングにより劇的に変わる車はないです。
元々のパワーの倍以上は、簡単に出ます。
また、それに耐えられるMTやボディーがポルシェの凄いところです。
このエンジン  やはり5番シリンダーのオイルリングが折れていました。
シリンダーもオイルまみれです。
腰下部分は、メタルの当たりもよく
問題なく使えそうです。

ポルシェ964 ターボ 3.6L エンジンOH 2




964TのタービンにつくこのL型ホース。
これって向きがあるんですが、
ポルシェをよく知らないところで分解された車のほとんどが反対向きに付いています。
どちらでも付くには付きますが、、、、、
少し考えれば解ることですが、、、
ほとんどの場合、逆です。
この車も逆でした。
この3.6Lターボ
保管状態が良くないのか?
想像以上に程度が良くないです。
20000km台とは思えない。
各部の錆がとにかく酷いです。
3番のEXマニは、繋ぎ目にクラックが入っていてそれを耐熱バンテージで塞いであります。
EXナットは、錆がひどくリョータで削り落さないと外れません。
ここまでボルトが錆びついている車はさすがになかったです。
車の程度は、走行距離ではないということがよくわかります。
やっとここまで、、、、