RWB 964T アライメント・オイルホース交換・試運転・納車

引き続き、RWB 964Tの作業です。

ボディアライメント、足回りのフルピロ化、車高調交換などを終え、今回は最終的なアライメント調整から進めていきます。

まずは車高調整。

ある程度の車高を決めてから、アライメント調整に入ります。

ダミーホイールを使用してアライメント調整

今回のアライメントは、ダミーホイールを使用して測定・調整します。

レース車両などでは定番の方法で、通常のホイールとタイヤを装着した状態とは違い、ホイールの歪みやタイヤの摩耗状態などに影響されずに測定できるのが特徴です。

キャンバー、トーなどを確認しながら、足回りを調整していきます。

アライメント作業が完了したら、実際のホイールを装着。

ここから最終的な車高と、スペーサーによるタイヤの出具合を調整していきます。

オーナーさんからのご希望は、

「タイヤが当たらないギリギリのツライチ」

RWBのワイドボディですから、このあたりの見た目も非常に重要です。

ただ外側へ出せばいいというものではなく、実際に走行した際のタイヤとフェンダーのクリアランスも確認しながら調整します。

作業完了後、試運転へ

一通りの作業が終わったところで試運転です。

足回りの動きや直進性、ステアリングのフィーリングなどを確認していきます。

そして、この試運転中にオイルラインからのオイル漏れを発見。

納車前に見つけることができて良かったです。

漏れていたのは、空冷ポルシェでは定番ともいえるドライサンプタンク周辺のオイルライン。

年式を考えれば、ホースや接続部分の劣化は避けられません。

今回は該当部分だけではなく、今後のトラブル防止も考えてドライサンプタンク部分のオイルラインを一式交換しました。

交換後、改めて試運転。

オイル漏れがないことを確認し、車両の動きも最終チェックして作業完了です。

RWB 964T 完成・納車

ワイドボディの964ターボというと、見た目からはかなりハードな乗り味を想像するかもしれません。

しかし今回、ボディアライメントから足回り、車高、アライメントまで一通り見直したことで、

ワイドボディとは思えないほど乗り心地が良く、非常に乗りやすい964ターボになりました。

見た目だけではなく、きちんと走れること。

今回の車両では、そこを大切にして仕上げています。

今年の初めにご相談をいただいてから、ボディアライメントをはじめ時間のかかる作業も多く、完成まで約半年。

長い時間お預かりすることになりましたが、本日、無事に納車させていただきました。

オーナー様、大変お待たせいたしました。

ありがとうございました。

RWB 964T  エンジン載せ フルピロ  車高調取り付け 

ボディアライメントが終了したRWB 964ターボ。ここから足回りを中心に組み上げていきます。

まずは足回りを M’s製フルピロ へ交換。

964も年式を考えると、ゴムブッシュ類はかなり劣化している車両が多くなっています。

今回はボディアライメントまでしっかり測定・修正していますので、足回りもリフレッシュしてきっちり仕上げていきます。

フロントメンバーの折れたボルトを放電加工で除去

作業を進めていくと、フロントメンバーに問題発生。

アルミ製のフロントメンバーに鉄製ボルトが強烈に固着しており、通常の方法では抜くことができません。

アルミと鉄という異なる金属の組み合わせは、長年の使用による腐食によって固着が非常に強くなることがあります。

今回は加熱なども試しましたが、簡単に抜けるような状態ではありませんでした。

無理に叩いたり削ったりしてフロントメンバーを傷めてしまっては意味がありません。

そこで専門業者へ依頼し、放電加工でボルトを除去してもらいました。

放電加工とは?

放電加工は、電極と金属の間に発生させた放電のエネルギーを利用して、金属を少しずつ除去していく加工方法です。

ドリルなどで無理に切削する方法とは違い、固着したボルトや折れたボルトだけを狙って除去できるのが大きなメリット。

今回のように、

「アルミ製の部品をできるだけ傷めず、中で完全に固着した鉄製ボルトを取り除きたい」

というケースでは非常に有効な方法です。

専門業者から戻ってきたフロントメンバーを綺麗に清掃し、フルピロを組み込んでいきます。

サスペンションもチャレンジSPCへ

今回、サスペンションも変更。

SPRIT製 チャレンジSPC車高調を取り付けます。

フルピロ化と合わせて、車高・アライメントを含めて最終的にセットアップしていきます。

せっかくボディ側をきちんと測定して基準を出しても、足回りにガタや劣化があれば本来の動きにはなりません。

エンジンやサスペンションの性能を生かすためにも、その土台となるボディと足回りは非常に重要です。

ABSユニットも交換

そして、点検時に問題が確認されていたABSユニットも交換します。

964ターボ系では、このABSユニットに不具合を抱えていても、オーナーさん自身が気付いていない車両が少なくありません。

通常走行ではABSを作動させるようなブレーキングをする機会がほとんどないためです。

ところが緊急時に強くブレーキを踏んで初めて、

「ABSが正常に作動していない」

と気付くのでは遅すぎます。

964もすでに製造から30年以上経過しています。

年式を考えればABSを含めたブレーキシステムも、「壊れてから直す」というより、一度きちんと点検しておきたい部分です。

そしてエンジン搭載

足回り、ABS関係の作業を進めたところで、ボディアライメントのために降ろしていたエンジンを再び搭載。

ようやくクルマらしい姿に戻ってきました。

ただ、これで完成ではありません。

ここから車高を決め、各部を確認しながら最終アライメント調整へ進みます。

ボディアライメントから始まり、

フロントメンバー修理
フルピロ化
SPRIT チャレンジSPC車高調
ABSユニット交換

ブレーキOH
エンジン搭載

と、一つずつ土台から仕上げてきたRWB 964ターボ。

次はいよいよ足回りのセットアップです。

RWB 964T ボディアライメント

RWB 964Tのボディアライメント作業です。

中古車の場合、過去にどのような使われ方をしてきたのか、どのような修理を受けてきたのか、すべてを把握することはなかなかできません。

特に30年以上が経過した空冷ポルシェでは、事故歴だけではなく、長年の使用によるボディへの影響も考える必要があります。

エンジンやミッション、足回りなどは、オーバーホールや部品交換によって本来の状態へ戻すことができます。

しかし、ボディだけはそう簡単にはいきません。

どんなに良いエンジンを組んでも、どんなに良い足回りを取り付けても、それを受け止めるボディがきちんとしていなければ、本来の性能を発揮することはできません。

そこで今回は、オーナーさんが以前から気になっていた部分も含めて、ボディアライメントをしっかり確認・修正していきます。

SPANESIのジグ式フレーム修正機で測定・修正

空冷ポルシェのボディ修正というと、セレット(CELETTE)が有名です。

今回は、イタリアの**SPANESI(スパネージ)社製ジグ式フレーム修正機(ベンチ修正システム)**を使用します。

近代のポルシェをはじめ、アルミや異種材を組み合わせたボディにも対応し、ボディを基準位置に固定したうえで精密な計測・修正を行うことができる設備です。

ボディは見た目だけでは正確な状態を判断できません。

基準となるポイントをしっかり出して、現在のボディがどのような状態なのかを確認し、必要な部分を修正していきます。

修正後はエンジン・足回りを組み上げます

ボディアライメント修正が完了したら、車両は当社へ戻ってきます。

ここから当社で、

  • エンジン搭載
  • 足回り関連の組み付け
  • MSさんのフルピロ化
  • SPIRIT車高調の取り付け
  • ブレーキ関連のオーバーホール
  • ABSユニットのオーバーホール

などを進めていきます。

ABSについてはすでにユニットの故障が確認されているため、こちらもオーバーホールして本来の状態へ戻します。

RWB 964Tを基本から仕上げる

今や日本だけではなく、世界的な地位を確立したRWB(RAUH-Welt BEGRIFF)。

そのワイドボディをまとった964ターボを、縁あって当社で作業させていただくことになりました。

見た目の迫力はもちろんですが、今回はそこだけではありません。

まずは土台となるボディを確認・修正し、その上でエンジン、足回り、ブレーキと順番に仕上げていきます。

良いエンジン、良い足回りを生かすためにも、まずはきちんとしたボディから。

完成したときにどのような走りになるのか、楽しみな一台です。

まだまだ作業は続きます。