L型エンジン  3

今、分解中のL型エンジンですが、さすがに何年もの
間にいろいろなチューニングをされてきたエンジンです。

今回は、面白いことにヘッドはビッグバルブが入って
いるのですが、ブロックはノーマルという状態です。


まともにチューニングされていればまず有り得ないことなので
どこかで買ってきたヘッドを後から取り付けた可能性があります。

L型エンジンのノーマルボアにビッグバルブを組み合わせると
バルブがシリンダーに当たってしまうという現象がおきます。

このエンジンもピストンを取るとシリンダーにバルブが
当たった形跡がありました。

エンジンを1から作る場合は、必ずチェックする部分で
あるので後から交換された可能性が高いです。

もっともプライベーターに愛されたエンジンであるので
中にはとんでもないチューニングがされている可能性は
あります。

最近は、どんなパーツでもまずヤフオクを見る。
というのが常識になっています。

とにかく安く、いろいろなものが出品されていますので
お宝探しには1番のサイトだと思います。

ただやはり気をつけなければならないのは、壊れかけたものが平気でノークレームという形で出ているということです。

安物買いの銭失いにならないようにしたいものです。

このL型エンジンも実際にバルブを外して旋盤で回すと
インテークバルブはすべて曲がっていました。

オーナーの方は、チューニングエンジンとして購入したらしいのですが、
中身はビッグバルブのみでカムもピストンもノーマルという状態でした。

結局は、使える部品は何一つなかったということになります。

1番酷かったのは、オイル管理が悪くクランクのジャーナルが傷だらけだということです。

クリアランスを計るとなんとかギリギリ使えそうですが
予算の関係もあるのでこのまま使うことになります。

曲がりも12/100 もダイヤルゲージで振れています。

実際の曲がりは、この半分なので6/100です。

これも曲がり修正が必要です。

クランクメタルのクリアランスが5/100ぐらいなので
クランクが6/100振っていると普通クランクが回らいかジャナルが痩せているはずなのですが
不思議とクランクは普通に回ります。

ストリートで予算が決まっていたりパーツが無い場合は、
多少無理をしてもパーツを再使用するということも必要です。

このあたりがストリートチューンの難しさでもあります。