カーボンLSD

最近よくカーボンLSDを使っている車のメンテナンスをしているのですが、
すごくトラブルが多いです。

LSDで使うということは、デフオイルに浸されるため湿式のクラッチと
同じような感じになります。

カーボンは、その性質上温まらないと性能を発揮しません。


カーボンクラッチなどもサーキットを走り始めてしばらくは、クラッチが滑った状態に
なります。

だから1度PIT IN してクラッチが冷えてしまうとまた滑り始めます。

一発のタイムアタックなどには、まるで使えません。

ブレーキも街乗りなんかだと危なくて使い物にならないでしょう。

カーボンLSDは、利きがマイルドでいいのですが、当然湿式の為
カーボンの粉がデフオイルの中にたまります。

これがすごく太刀が悪いです。

カーボンの粉がベアリングなどに悪影響を与えます。

3000km程度は走った車のオイルを抜くとまるでモリブデンでも入れたように
真っ黒です。

デフオイルクーラーなどをつけるとオイルクーラーラインがカーボンのカスで詰まってしまうほどです。

私が聞いたトラブルだと油温がすごく上がりリングギアのボルトが緩んでしまったり
ピニオンのスペーサーがダメになりバックラッシュがひどくなり音が出て壊れてしまいます。

ほんといい話を聞かないです。

昔、ある営業からポルシェにカーボンLSDを入れないか?といわれたことがあるのですが
入れなくてよかったです。

ポルシェやFFの車のようにMTとデフが一緒になっている車だとMTまで壊してしまいそうです。

壊れる原因が粉のせいなのか油温のせいなのか解りませんが
使う人は注意してください。