964カレラ2 エンジン 独立点火




964カレラエンジン及び
993カレラエンジンは、
ご覧の様なツインディスビが付く
1気筒2プラグエンジン。
ポルシェは、6気筒なので実に12個ものプラグを使います。
ディスビ点火のダメな理由は、イグナイターから  コイル  →ディスビ  →ロータープラグコード →  プラグという風に6段階の順序を経てやっと点火します。
この間で当然本来の点火性能が失われています。
 
ディスビ点火というのは、今となっては大昔の点火方式で国産車ではディスビを使っていた車を調べるとトヨタだとAE86の4AGエンジン    日産だとVG30
などの昭和の車のエンジンにさかのぼります。ちなみにR31スカイラインは昭和の車ですが、すでにダイレクト点火でした。
スカイラインで言えば名機FJ20エンジンまでさかのぼります。
でも、ポルシェは、930  964  993まで
全てディスビを使ってきました。
ポルシェでディスビが無くなるのは水冷になった1998年デビューの996カレラまで待たなければなりません。
これが今まですごく気に入らなかった。
ただでさえエンジンノックに不利な空冷2バルブエンジンのポルシェ。
ノッキングが酷く点火時期を上げられないエンジン。
なのに点火システムは、昔ながらのディスビのまま。
最終空冷レーシングカーだった993GTー2までもディスビのまま。
これは、ポルシェの余裕なのか?
もしくは、諦めなのか?
最近使い始めているLINKフルコンは、各気筒ごとの点火リタードが可能です。
他社のフルコンと比べてもすごく優秀なフルコンだと思えます。
でも、空冷ポルシェで使う場合。
せっかくのリタード機能も点火型式がディスビの為、リタード=全ての気筒の点火を下げるということになります。
これだとパワーダウンになるのは、明らかです。
ポルシェの空冷M64エンジンを独立点火にするのは大変。
何故なら独立点火にする為にはツインプラグの為12個のコイルが必要。
当然、イグナイターも12気筒分必要。
となるとコスト的にV12気筒エンジンと同じぐらいの負担がかかります。
だから、誰もやらない。
これが現実です。
自分が、もし964のM64エンジンに乗っていたらとっくの昔にやっていたと思います。
また、バブル時代の車は、何台か独立コイルなっているのを見た事があります。
でも、その頃の、フルコンは、点火リタードなどの機能は存在しない時代
単純に点火性能upが目的でした。
今回、独立点火にするにあたり色々探していると同時点火用のデュアルコイルが使えそうなのでこれを使います。
このコイルなら1個のコイルで2個の点火出力があるので、コイル6個で12気筒分使えます。
プラグコードの長さも短く出来ます。
そして、トラブルの多いベルト駆動のディスビも撤去できます。
これで、今までの6段階点火から
コイル→ プラグコード→プラグ
という風に3段階で点火でき
各気筒ごとの点火リタードが可能になります。
これでLINKフルコンの点火リタード機能を完璧に使えます。
これでやっと空冷ポルシェが、LINKフルコンによって今風のエンジンになる。
悪くなる要素は、一つもないが(コスト以外)
どれぐらい良くなるか?
楽しみです。